最後に、規制セクションの分析を通じて、DOGEの政治的意図の全体像を明らかにする。このセクションは「違憲性指数(Unconstitutionality Index)」という挑発的な指標を前面に掲げ、行政機関による規制を「選挙で選ばれていない官僚による法の支配」として批判的に位置づけている。2024年の違憲性指数は18.5とされ、これは議会が制定した1つの法律に対して、行政機関が平均18.5の規則を作成していることを意味する。この指標は、行政機関による規則制定を「選挙で選ばれていない官僚による過剰な権力行使」として否定的に描き出す政治的レトリックとして機能している。
この政治的メッセージは、2012年から2024年までの規則数と法律数の推移を示すグラフによってさらに強化されている。グラフでは、規則数(青色)が法律数(緑色)を大きく上回って推移していることが視覚的に強調され、行政機関による規則制定の「過剰さ」を印象付ける効果をもつ。
さらに、連邦規則集(Code of Federal Regulations)の分析では、総語数9,868万語、規制条項数21万5,230という数値が強調されている。2012年から2024年にかけての総語数の増加を示すグラフは、規制の量的拡大を視覚的に訴える政治的レトリックとして機能している。
これらの数値とグラフの提示は、規制緩和の必要性を主張する政治的レトリックとして巧妙に構成されている。このように、規制セクションは「違憲性」という政治的概念を通じて行政機関の規則制定権限を批判し、規制緩和という政策の正当化を図るレトリックとして機能している。
