日本製鉄の今井正社長は25日、米鉄鋼大手USスチールへの買収計画についての基本的な認識として、「出資と設備投資というものはバラバラに切り離して考えることはできないと考えている」と述べた。日鉄の幹部が日米首脳会談後に、USスチール買収に関して発言するのは初めて。

今井社長は記者団に、これから米政府と協議を進めるが、「基本的なスターティングポイントは今の合併契約になる」とした上で、トランプ大統領に了承してもらうために何ができるか米政府と話す段階にいると説明した。

今後については、就任して間もないラトニック商務長官を含む政権幹部が相手方になるとの認識を示した上で、「まさにいま協議に入ろうとしているところだ」と話した。米トランプ大統領との面談は、行政当局との協議を踏まえる必要があるため、「 現時点では何も決まっていないのが事実」だとした。

石破茂首相は2月初旬に訪米し、大統領との首脳会談を実現させた。大統領は、日鉄のUSスチール買収計画について、もはや買収ではなく投資として実施されると話していた。その席で大統領は、日鉄幹部と会談する計画があることを明らかにしていた。

一方、同大統領との会談後の記者会見で、石破首相も「どちらかが利益を得るというような一方的な関係にならない、そういうことを大統領との間で強く認識を共有した」と強調した。

朝日新聞は20日、武藤容治経済産業相が3月にも訪米し、トランプ政権の閣僚と会談する方向で調整していると報じた。鉄鋼や自動車への関税措置を協議するほか、日鉄によるUSスチール買収計画についても意見交換する方向だとしている。

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