三井物産は19日、鉱山会社大手のリオティント・グループが開発・操業するオーストラリアのローズリッジ鉄鉱石事業の権益の40%を取得すると発表した。 取得額は合計で53億4200万ドル(約8000億円)となる見込み。

発表資料によると、VOCグループが保有する権益25%を約5000億円で取得するほか、AMBホールディングスが持つ15%を約3000億円で取得する。ローズリッジ鉱山は比較的品質が良いとされている。収益へのインパクトとして、基礎営業キャッシュ・フローで初期段階で1000億円規模、将来は2500億円規模を見込む。堀健一社長は同日開いた記者会見で「1案件への当社の投資額としては過去最大」と述べた。

取得するのはオーストラリアの西に位置するピルバラ地域の鉱山で、世界最大級の未開発鉄鉱床。2030年までの生産開始を予定している。同社の持分権益生産量は、初期生産体制で年約1600万トン、拡張を経て最終的に年約4000万トン以上を見込む。日本を含むアジアやインドなどへの輸出が念頭にある。

二酸化炭素(CO2)排出量を削減できる製鉄技術の開発が進む中、高品質な鉄鉱石を確保しようとする動きが相次いでいる。日本製鉄と双日も昨年カナダの鉄鉱石鉱山の権益を取得すると発表していた。堀社長は「高級鋼材の生産には不純物の少ない鉄鉱石が引き続き重要」と説明した。

最終的な出資比率の内訳はリオティントが5割、三井物が4割、AMBHDが1割となる。三井物はピルバラ地区での鉄鉱石事業に以前から携わっており、日本や現地のパートナーらとともに加工や使用技術の向上に取り組んできた。既存の鉄道や港湾を活用することで開発にかかる費用やリスクを抑えられる他、開発や操業の効率化も図れるという。

三井物株は午後の取引で、一時前日比3.4%安の2667.5円を付けた。終値は同1.4%安の2722円だった。SBI証券の柴田竜之介アナリストは「還元への期待の後退や、鉄鉱石市況がしばらく上がりづらい状況での大型投資が背景にあった可能性がある」と述べた。

(会見でのコメントなどを追加します)

--取材協力:Paul-Alain Hunt.

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