(ブルームバーグ):4日の外国為替市場で円が対ドルで一時急伸したことで、市場では日本当局による為替介入への警戒が続いている。
東京市場が連休中の休場で薄商いの中、円は一時ニューヨーク終値比0.8%高い155円72銭まで上昇。その後は押し戻され、同日午後のニューヨーク外国為替市場では小幅安の157円20銭台で推移している。
日本当局は4月30日、先週約5兆4000億円規模の円買い介入を行った可能性が高いとみられている。

マネーコープの北米トレーディングおよび仕組み商品部門責任者、ユージン・エプスタイン氏は、日本は「最初の介入後も短期的に追加対応を複数回行い、市場に本気度を示すことで知られている」と指摘。「そのため、ドル・円は次のバズーカを待つ綱渡りの状態にある」と述べた。
ウズベキスタンのサマルカンドを訪問中の片山さつき財務相はこの日、大型連休中の為替介入の可能性について、昨年、日米間で合意された共同声明に沿って、為替の「投機的な動きについては断固とした措置をとる」とした上で、「具体的に私の方から申し上げることはない」と述べるにとどめた。
前日は、介入を行ったかどうかについて「ノーコメント」と発言。先週には、「外出の時もお休みの時もスマホを離さずに、ということだけ申し上げておきます」と記者団に語り、介入がいつでもあり得ると示唆していた。
一方、片山財務相の同行筋は3営業日連続で介入が実施された場合、1回の介入とみなされるとの国際通貨基金(IMF)の指針に言及した。また、6カ月以内に最大3回までの介入は「自由変動相場制」と分類されるという。
4日の円急伸が日本当局による再介入によるものだったかは明らかではない。クレディ・アグリコルCIBのシニアストラテジスト、デービッド・フォレスター氏は、ゴールデンウイークの連休に伴う流動性の低下により値動きが増幅されると指摘。「介入が伝わった後、ドル・円は157円をやや上回る水準で2度にわたり上昇を阻まれており、この水準は注目に値する」と述べた。
日本の当局者が足元の市場動向に関する質問をかわす中、市場関係者の関心は日本の介入余力へと移りつつある。ゴールドマン・サックス・グループによると、日本は先週と同規模の円買い介入をあと最大30回実施できる余力があるが、通貨当局は外貨準備を温存し、より効果的なタイミングで介入する見通しだ。
ゴールドマンやTDセキュリティーズなどは、日本当局が160円の水準を防衛ラインとして重視しているとの見方を示した。
TDの為替戦略責任者、ジャヤティ・バラドワジ氏は、この防衛ラインが投機的な円売りを抑制し、現在の水準付近で振れの大きい展開が続くだろうと述べた。

4日には、円の弱気ポジションを巻き戻す動きもみられた。オプション市場では円高を見込む取引が積み増され、短期のポジショニングは1月以来で最も円に強気な見方に傾斜している。モルガン・スタンレーのアナリストも、先週以降、オプション市場で円のロングポジションが増加している点を指摘した。
バークレイズのテミストクレス・フィオタキス氏らストラテジストは、介入の可能性が短期的に円を下支えするほか、6月の利上げ観測も支援材料になると指摘する。日銀は先週、政策金利を据え置いたが、6対3と反対票が異例の多さとなり、次回会合での利上げ観測が高まった。
三村淳財務官は1日朝、政府・日本銀行が前日実施した為替介入に関し、「大型連休はまだ序盤」と述べ、さらなる対応に踏み切る可能性を示唆した。政府・日銀は2024年にも大型連休中に介入を行っている。
それでも、日本当局が長期的な円高基調を支えることは引き続き難しいと、バークレイズのストラテジストは3日付の顧客向けリポートで指摘した。
「過去の介入後に見られたような長期的な円高トレンドへの転換は現時点では見込みにくい。特に、インフレ圧力の中で海外の中央銀行がタカ派姿勢を強めているためだ」と記した。
原題:Yen’s Brief Spike Leaves Traders on Alert for Intervention (1)(抜粋)
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