海運業界が脱炭素化を進める中、ハパックロイドやルイ・ドレフュス・アルマトゥールなど一部の大手海運会社は、国際海事機関(IMO)に対し作物由来のバイオ燃料への支持を控えるよう求めている。

海運各社は非政府組織(NGO)の欧州運輸環境連盟(T&E)が公表した共同声明で、「法的拘束力のある保護策が導入されない限り、大量の化石燃料が持続不可能なバイオ燃料に置き換えられるリスクがある」と指摘。T&Eによると、森林破壊と土地利用を考慮すると、パーム油と大豆油が気候に及ぼす悪影響は従来の燃料の2-3倍だという。

海事問題に関する国連の専門機関であるIMOは、気候変動問題への国際的な対応策の一環として、今世紀半ばまでに海運業界の温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにするという目標を掲げている。世界貿易の5分の4余りが海上輸送で、大半の船舶が動力源として従来の燃料を引き続き使用している。

パーム油の原料であるアブラヤシは、東南アジアの広大な土地で栽培されており、主要生産国はインドネシアとマレーシア。パーム油は、炭素を豊富に含む泥炭地など壊れやすい土壌を破壊し、生物多様性の低下や希少動物の絶滅危機につながる恐れがあると非難されてきたが、同地域の生産者や政府はこうした主張を否定している。

IMOは今週ロンドンでイベントを開催し、海運業界の排出量削減に向けた措置について議論を行う。今年の春と秋に開催される主要会議では、排出量削減を巡るルールについてさらなる進展があると見込まれている。

海運各社は、IMOと加盟国に対し「船舶による作物由来のバイオ燃料の使用を控えさせるよう求める」と表明。作物由来のバイオ燃料は、排出量ゼロおよびゼロに近い燃料を促進するための経済的インセンティブの恩恵を受けるべきではないとの見解を示した。

原題:Shipping Giants Ask Watchdog to Avoid Biofuels in Green Push (2)(抜粋)

--取材協力:Jack Wittels.

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