オーストラリア準備銀行(中央銀行)は18日、2020年以来約4年ぶりとなる利下げを決定した。物価上昇圧力が弱まっていることが背景。ただ、市場が予想するほど積極的な緩和は行わないと強調した。

豪中銀は政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートを0.25ポイント引き下げ4.1%にすることを決めた。大方の予想通りの決定となった。一方、18日の声明では、借り入れコストを過度に急速に引き下げるとディスインフレが停滞する恐れがあると警告。同時に、世界的に地政学上および政策上の不確実性が大きいと指摘した。

豪中銀のブロック総裁は政策決定後の記者会見で、政策当局者はデータに基づいて判断すると改めて述べ、市場が織り込む連続利下げの見通しに警鐘を鳴らした。会見後、豪株価指数は下げ幅を拡大し、0.7%安でこの日の取引を終えた。一方、豪3年国債利回りは上昇した。

ブロック総裁は「今日の決定は、市場が示唆するような追加利下げが実施されることを意味するものではないことを明確にしておきたい」と強調。「委員会は、今後の金利の道筋について決定を下す前にインフレ率が持続的に低下していることを示すさらなるデータと証拠を必要としている」とし、「委員会は、デフレの進展を妨げる可能性のある上振れリスクに非常に警戒している」と述べた。

総裁会見中、政策に敏感な豪3年国債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。トレーダーらは豪中銀による追加利下げへの期待を後退させた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたスワップデータによると、現時点では年内に追加利下げがあと1回行われる可能性が完全に織り込まれ、2回目の利下げの可能性は80%未満となっている。決定前は少なくとも2回の追加利下げが実施されると見込まれていた。

ブロック総裁

豪中銀の決定は、5月17日までに予定されている総選挙で勝利し、政権続投を目指すアルバニージー首相にとって追い風になる可能性がある。世論調査によると、生活費や住宅費が有権者の主な関心事となる中で、同首相の労働党は野党の保守連合(自由党・国民党)に劣勢だ。

18日の外為市場で豪ドルは2カ月ぶりの高値付近で推移。ニュージーランド・ドルに対しては昨年12月以降で最大の上昇となった。

ANZグループ・ホールディングスのアナリスト、フェリックス・ライアン氏は、「豪中銀の今回の利下げはかなり慎重な印象だ。市場は豪中銀の緩和サイクルが浅いとの見方を織り込んでいるため、短期的には豪ドルを支えるだろう」と述べた。

 

インディードのエコノミスト、カラム・ピカリング氏は「豪中銀が1回限りで金利を引き下げたり引き上げたりすることはめったにない」と指摘し、「2回目の利下げは5月か7月に行われる可能性が高いと考えている。ただ、豪中銀は慎重になる」との見方を示した。

 

ブルームバーグの調査によれば、エコノミストらは今年あと2回の利下げを予想。市場では2025年末のキャッシュレートが3.6%になるとの見方が織り込まれており、エコノミスト予想とおおむね一致している。3.5%前後と推定されている中立金利に迫ることを考慮すると、大幅な緩和サイクルは想定しづらいことが示唆されている。

豪中銀は四半期ごとに発表する経済見通しで、2025年6月のコアインフレ率予想を3%から2.7%に引き下げた。また27年6月までトリム平均値は2.7%とし、目標の中央値に達しないと見込んだ。

 

また最新の見通しでは、失業率のピークが4.5%から4.2%に引き下げられた。20日に発表されるデータでは、1月の失業率が4.1%と、前月の4%からわずかに上昇するとエコノミストらは予測している。

原題:RBA Chief Cautions Against Aggressive Easing Bets After Rate Cut(抜粋)

(総裁発言などを追加して更新します)

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