(ブルームバーグ):トランプ米大統領が次期商務長官に指名したハワード・ラトニック氏は、米企業に影響を与える欧州のESG(環境・社会・企業統治)規則に対して「貿易手段」で報復する可能性があると述べた。
ラトニック氏は、特に「企業サステナビリティー・デュー・ディリジェンス指令(CSDDD)」について言及した。同氏は先月、共和党上院議員らに対し、ブリュッセルで策定されたESG規制が米企業に与える影響を懸念していると語っていた。
CSDDDの下では、企業はバリューチェーンでESG規則違反の存在が判明した場合、訴訟リスクに直面する。欧州連合(EU)のESG規制の大半と同様に、CSDDDは、域外の大企業も欧州顧客を対象とする場合は順守を義務付けるよう設計されている。
上院商業科学運輸委員会のウェブサイトに掲載された文書によると、ラトニック氏は1月29日の同委指名承認公聴会と同じ日に「共和党による公式質問」と呼ばれる場で、CSDDDについて「米企業に大きな負担を強いる」と発言していた。
ラトニック氏は上院議員らに対し、商務長官に就任すれば「必要に応じて、商務省が利用可能な全ての貿易手段の使用を検討する」考えを示した。
現在はキャンター・フィッツジェラルドの最高経営責任者(CEO)を務めるラトニック氏(63)は、まだ商務長官の指名承認を受けておらず、どのような貿易手段を使用するかについては明言しなかった。
米企業がCSDDDを順守することを違法とする大統領令や法案を支持する可能性について問われたラトニック氏は、「米企業に悪影響を及ぼす負担の大きい規制を阻止するために必要なら、どんなことでも前向きに取り組みたい」と発言。CSDDDは「米国の産業と経済にとって深刻な懸念事項」だと付け加えた。
EUは域内外からESG規制の見直しを迫る強い圧力に直面している。EU域内の大国であるドイツとフランスは、競争力を低下させ経済成長を妨げるとの懸念から、EU当局に規則の範囲縮小を正式に要請している。
EUの報道官は、規制の世界的な影響を考慮しており、協議にはオープンな姿勢だと話した。
原題:Lutnick Is Exploring ‘Trade Tools’ to Target Europe’s ESG Rules(抜粋)
--取材協力:Todd Gillespie.
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