(ブルームバーグ):トランプ米大統領はイラン戦争終結に向けた交渉で苦戦しており、イラン指導部から「屈辱」を受けているとドイツのメルツ首相が述べた。ドイツと米国の関係に、この発言が亀裂を広げる恐れがある。
メルツ首相は異例の率直な表現で「今の米国はどのような戦略的出口を選択しているのか、分からない」と述べ、イランの交渉担当者が「非常に巧妙に、あるいは実際には交渉しないように事態を進めている」と付け加えた。
その結果「米国という国家全体がイラン指導部、とりわけいわゆる革命防衛隊によって屈辱を受けている」と、メルツ氏は27日、中学生を前に述べた。
一部の欧州首脳はトランプ氏との関係を見直しており、メルツ氏の発言はそうした流れを浮き彫りにする。かつては関係改善を求めて友好的な姿勢だったが、北大西洋条約機構(NATO)を繰り返し侮辱し、欧州の極右勢力を支持し、グリーンランド領有への意欲を隠さないトランプ氏を、もっと冷静に受け止める見方に変化している。
イタリアのメローニ首相はかつてトランプ氏と良好な関係にあったが、同首相がローマ教皇を擁護したことなどから対立し、トランプ氏から言葉の攻撃を受けた。
スペインのサンチェス首相は一貫してトランプ氏に対して批判的だ。同首相はイラン戦争で基地使用を拒否し、トランプ氏の反発を招いた。
メルツ独首相は3月のホワイトハウス訪問などで関係構築を試みたが、燃料価格が高騰する中で米国のイラン作戦に対する批判を強めている。
週末に米イラン和平協議が期待されていたが、トランプ氏は「イランは多くを提示したが十分ではない」として、特使のパキスタン派遣を取りやめた。一方でイランのアラグチ外相はパキスタンの首都イスラマバードを訪問した。ニュースサイトのアクシオスによると、より長期的な問題である核開発計画についての協議は先送りできると、アラグチ外相は考えを伝えた。
メルツ首相は、2月28日のイラン攻撃開始にあたってドイツを含む欧州に事前の相談がなかったとし、この戦争についての懐疑的な見方は2度にわたってトランプ氏に直接伝えたと述べた。「これが5〜6週間続き、さらに悪化すると分かっていれば、もっと強く主張していた」と地元の学校で語った。
過去のアフガニスタンやイラクでの戦争同様、問題はその終結にあるとし、「できるだけ早く終わることを望む」とメルツ首相は話した。しかしイランが予想以上に強く、米国に説得力ある戦略が欠けるため、即時終結の見通しはないとも述べた。
「この対イラン戦争はドイツ経済に直接影響しており、早期に終わらせる必要がある」と語った。
原題:Trump Being ‘Humiliated’ in Iran Talks, German Leader Says (1)(抜粋)
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