米国の石油生産量の伸び鈍化で、外国市場への原油輸出拡大を狙ったプロジェクトに暗雲が立ち込めている。米石油大手シェブロンがそうした見方を示した。

2024年の米原油輸出は新型コロナウイルス流行期の数年以外で最低の伸びとなり、コロナ禍以前には確実視されていた新たなターミナル建設も、今や不確実性に直面している。

シェブロンの供給・トレーディング部門のバーバラ・ハリソン社長はテキサス州ヒューストンで開催された「アーガス・クルード・サミット」でのインタビューで、そうしたプロジェクトについて、コロナ禍以前は、「『いつ実現するか』の問題だったが、今では『実現するかどうか』という疑問の方が大きいと思う」と語った。

米国では、テキサス州とルイジアナ州の沿岸地域に超大型タンカーへの積み込みが可能なターミナルを建設する四つのプロジェクトが進行している。

コンサルティング会社のRBNエナジーによると、米国の石油輸出能力は日量700万バレル前後と推計され、昨年の輸出実績の同410万バレルをはるかに上回る。

今年の輸出は鈍い伸びにとどまる見通しで、1日当たりでは「数百万」バレルではなく「数十万」バレル単位の増加とハリソン氏は予想している。

昨年の米原油生産量は70%減の日量27万9000バレルだった。米エネルギー情報局(EIA)によると、生産量は25年にわずかに増加するものの、来年には同7万8000バレルまで急減すると見込まれている。

原題:Chevron Says Fading US Crude Growth Casts Pall on Port Projects(抜粋)

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