(ブルームバーグ):中国の字節跳動(バイトダンス)が運営する短編動画投稿アプリ、TikTokの米国事業は、米中間の売却合意に基づき、米国人が過半数の持ち分を保有し、経営権を握ると米ホワイトハウスのレビット報道官が明らかにした。
レビット氏は20日、FOXニュースに対し、TikTokの取締役7人のうち6人を米国人が占め、アプリのアルゴリズムも米国側が管理すると説明。最終合意が数日中に署名される見通しだと語った。
ホワイトハウス高官によると、米国人の取締役には国家安全保障とサイバーセキュリティーのクリアランス(アクセス資格)を持つ人物が選ばれ、残る1人はバイトダンスが指名するが、安全保障委員会のメンバーからは外される。
スペイン・マドリードで15日まで行われたベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相との協議で、TikTokの米国事業売却を巡る枠組みで合意が成立し、トランプ大統領と習近平国家主席が19日の電話会談で合意を承認した。
ホワイトハウス高官によれば、新たな枠組みでバイトダンスの持ち分は20%未満に縮小し、オラクルや米ベンチャーキャピタル(VC)のアンドリーセン・ホロウィッツ、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のシルバーレイク・マネジメントが新たに出資する。
オラクルはTikTokのセキュリティープロバイダーとして米政府に協力し、アプリの安全性を監視する。米国人ユーザーのデータは米国内で保管され、中国からはアクセスできないようになるという。
国家安全保障上の懸念を理由にTikTokが米国事業を売却しなければ、サービスを禁止する新法がバイデン前政権下で成立したが、トランプ氏は2期目の政権発足後、期限をたびたび延長し、今月16日に署名した大統領令で12月16日まで期限が再度延長された。
レビット氏は「それらの詳細は全て既に合意済みで、署名を待つだけだ。数日中に行われると予想している」と述べた。
原題:TikTok Deal Gives Americans 6 of 7 Board Seats, Leavitt Says (1)(抜粋)
--取材協力:Josh Wingrove、Kate Sullivan、Vincent Lee.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.