(ブルームバーグ):フジ・メディア・ホールディングス株が午後に一段高となり、17年超ぶりの高値に値上がりしている。投資信託「ひふみ」を運用する著名な運用会社レオス・キャピタルワークスの株式保有が明らかになった。

フジHD株は10日午後に一時7.5%高の2705円まで買われ、2007年5月以来の水準に値上がりした。レオスが株式5.12%を保有したことが大量保有報告書で7日明らかになり、買い注文が膨らんでいる。レオスは1月20日から2月6日まで断続的に市場で買い付け、顧客資金256億円で計1200万株を取得した。「投資一任契約及び投資信託委託契約に基づく純投資」としている。
元タレントの中居正広氏と女性との性的トラブルを巡る子会社フジテレビの対応に批判が続出したフジHDについては、アクティビストで株主の米ダルトン・インベストメンツ系のライジング・サン・マネジメント(RSM)が第三者委員会の設置を書簡で1月に要請した。その後に株価が上昇しており、新たな株主の登場で値上がりに弾みが付いた格好だ。
パラソル総研の倉持靖彦副社長は、有名な運用会社レオスの保有はフジHD株にプラスと述べ、これまで水準を押し上げてきた会社の改革や経営に株主が物を申すという思惑を念押しした印象とした。同時に12カ月先の株価収益率(PER)は過去10年の上限近くで、予想株主資本利益率(ROE)も低いとして、投資妙味は薄れて思惑による株価上昇は一服しそうだと見ている。

東海東京インテリジェンス・ラボの仙石誠シニアエクイティマーケットアナリストはフジHD株について「投資は個人的にはあり」と話した上で、旧来型の経営に凝り固まった会社の環境が大きく変わる「変化のチャンスが来ている」と指摘した。
(第2段落の株価を最新値にして更新します)
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