(ブルームバーグ):米国で卵の価格が1パック(12個入り)7ドル(約1080円)に跳ね上がっている。全米的な卵不足で、ニューヨークからサンフランシスコに至る食料品店にとどまらず、外食業界もあおりを受けている。
米南部6州で朝食チェーン14店舗を展開するビスケット・ベリーでは既に、購入する卵の種類を安価なものに切り替えた。大きい茶色の卵を1ケース55ドルで入手していると、チャド・コールター最高経営責任者(CEO)は明らかにした。同社が通常調達する中型の白い卵より21%安いという。1ケースには通常、15ダースの卵が入っている。
しかし、価格はなお1年前の約2倍だ。そのため、オムレツやスクランブルエッグなどのメニューに使う分は液卵に切り替えることを計画していると、コールター氏は話した。目玉焼きといった他の料理では、選択の余地は少ない。
「大型の茶色い卵を55ドルで得られるときは、できるだけ多く買って冷蔵庫に入れておくよう、私は店長に言い聞かせている」とコールター氏。「この価格で入手できるときは買いだめしている」と続けた。
鳥インフルエンザが全米に広がり、鶏が大量に死亡する中、卵の価格は記録的な高騰を続けている。米農務省によれば、中西部では現在、大玉1ダースの卸売価格が平均7.08ドルと、わずか2年前の約7倍となっている。
生産者団体のユナイテッド・エッグ・プロデューサーズによると、2022年に鳥インフルエンザの流行が始まって以降、1億400万羽の採卵鶏が死亡した。昨年10月以降に2900万羽が犠牲になった。その結果、食料品店で品薄状態が続いている。
さらに、デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクの「オゼンピック」など、糖尿病治療薬や減量薬として使用される医薬品が、タンパク源として卵の需要を押し上げていると、サプライチェーンプラットフォーム「RELEXソリューションズ」の北米食料品業界戦略担当バイスプレジデント、アマンダ・オレン氏は指摘した。
ニューヨーク市では、米アマゾン・ドット・コム傘下の食品スーパー、ホールフーズ・マーケットでケージフリー(平飼い)の卵1ダースが一時11.99ドルまで高騰。市内の一部ホールフーズ店舗では、顧客に対して3パックの購入制限を設けた。
直近の鳥インフルエンザ流行はまず、食料品店を直撃したと、価格情報サービス会社エクスパナの米州・卵担当マネジングエディター、カリン・リスポリ氏は説明した。流行の影響を受けた農場の大半が小売りセクターに供給していたためだという。
「企業は現時点において、全ての選択肢を見極め、ニーズを賄う最も安価な手段を模索している」とリスポリ氏は語った。
原題:Eggs Spike to $7 a Dozen, Hurting US Restaurants and Shoppers(抜粋)
--取材協力:Ilena Peng、Jessica Nix、Nacha Cattan.
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