トランプ米大統領は5日、ホルムズ海峡を通過できずにいる船舶の航行を支援する米主導の取り組みを一時停止し、イランとの戦争終結に向けた合意が最終的にまとまるかを見極める考えを示した。

SNSへの投稿で「プロジェクト・フリーダムは、合意がまとまり、署名されるかどうかを見極めるため、短期的に停止される」と述べた。

トランプ氏は今回の判断に至った理由として「イラン側代表との間で完全かつ最終的な合意に向けて大きな進展があった」としたほか、パキスタンや他の国々の要請に基づくものだと説明。一方で、イランの港湾に出入りする船舶に対する米国の封鎖については「引き続き全面的に維持される」とした。

トランプ氏はこれまで「プロジェクト・フリーダム」を海峡におけるエネルギーやその他物資の流れを円滑化する人道的措置と位置付けてきた。ホルムズ海峡は2月下旬の戦争開始以降、事実上の封鎖状態にある。

プロジェクト・フリーダムを巡る動きは4日、新たな衝突を誘発し、すでに不安定な米国とイランの停戦にとって最大級の試練となった。米軍は、海峡を通過する米国船籍の船舶2隻の航行を支援する中で、イランのドローン(無人機)やミサイル、小型武装艇による攻撃を撃退した。アラブ首長国連邦(UAE)もイランの巡航ミサイルを迎撃したと発表している。

海峡を巡る情勢は緊張緩和に向けた取り組みの焦点となっている。イランは通航を遮断し、石油や天然ガスの輸送を抑制しており、エネルギー市場の混乱を招いている。

これに対し米国はイランの港湾を封鎖している。トランプ氏は約3週間前、イランの原油輸出を抑え込み、イランに対する経済的圧力を強めて、交渉を有利に運ぶ狙いで、封鎖を命じた。

米国によると、ホルムズ海峡周辺の封鎖により、約2万2000人の船員を乗せた1550隻以上の商船がペルシャ湾内に取り残されている。

トランプ氏は、こうした膠着(こうちゃく)状態がイラン経済に打撃を与え、同国に譲歩を迫っていると主張しているが、9週間に及ぶ戦争の終結が見通せないとの懸念から、金融市場やエネルギー市場には不確実性が広がっている。

トランプ氏や米政権高官は、イラン国内の分裂が一因で協議が難航していると説明している。

原題:Trump Says US to Pause Guiding Ships While Seeking Iran Deal(抜粋)

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