(ブルームバーグ):トランプ米大統領は2日夜、欧州連合(EU)に対し新たな関税を「間違いなく」課すことになるだろうと述べた。対EU貿易赤字のほか、EUによる米国車や農産物の輸入が不十分だとみており、改めて不満を示した。また、カナダおよびメキシコの首脳と電話会談すると明らかにした。
これに対しドイツのショルツ首相は3日、非公式のEU首脳会談を前にブリュッセルで記者団に対し、欧州には対応する能力があると主張。「米国と欧州が協力できれば、双方にとって良いことだ。だが、明らかなのは、交渉の基礎は自信の力を知ることにある。欧州は行動できる」と話した。
対EU関税についてトランプ氏は、税率の水準や時期を明言せず、「タイムラインがあるとは言えないが、近いうちになるだろう」と記者団に語った。「欧州は米国製の自動車を買わず、米国産の農産物も買わない。ほとんど何も買わない。米国は全て買っている。数百万台の自動車や膨大な量の食料や農産物をだ」とも述べた。
トランプ氏は以前にも対EU関税を示唆しており、最近では先月31日に「確実に」導入する考えを示していた。一方、EU首脳からは必要に応じ報復するとの表明が相次いでいる。
ポーランドのトゥスク首相は「ロシアの直接的な脅威や中国の拡大、これら全ての危険な事態が起こっている時に、同盟国間で対立する合理性を見つけるのは酷なことだ」と記者団に指摘。「完全に不必要な、ばかげた関税戦争や貿易戦争を回避するため、あらゆる手を尽くさなければならない」と述べた。
フランスのマクロン大統領は「貿易問題で攻撃を受けるなら、欧州は自らを守り、敬意を集める存在として力を示す。つまり、行動が必要になる」と語った。
欧州委員会の報道官は2日、米国が関税を課すなら「断固とした対応を取るだろう」と明言していた。EUはトランプ政権が対EU関税を導入する場合の報復措置を、数カ月かけて練り上げている。

一方、トランプ氏はカナダのトルドー首相およびメキシコ首脳と3日午前に個別に電話会談を行うと記者団に語った。これに先立ち、トランプ氏は1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税をそれぞれ賦課する大統領令に署名。4日午前0時1分(日本時間同日午後2時1分)に発動する。

カナダ、メキシコ両首脳との電話会談について、トランプ氏は「劇的な展開は何も期待していない」とし、「われわれは関税を課す。彼らはわれわれに多額の借金をしており、返済することになるだろう」と述べた。
同氏の発言から、世界中に広がり得る北米での貿易戦争を回避できるとの楽観的な見通しが生じる余地はほとんどない。市場では米国株先物が値下がりし、メキシコ・ペソは米ドルに対しほぼ3年ぶりの安値となった。カナダ・ドルは2003年以来の安値水準。トランプ氏の新たな脅しによりユーロは下落し、一方で米ドルは上昇した。
トランプ氏は英国への関税を約束することはせず、対英貿易関係には問題もあるが、「それは解決できると思う 」と説明。スターマー英首相とは「非常にうまくやっている」と述べた。
トランプ氏はまた、南アフリカ共和国に対する支援の凍結を命じたことも記者団に明らかにした。同国の土地収用法に問題があるためだという。これを受けて、南ア・ランドは一時約2%下落した。
原題:Trump Raises EU Tariff Threat, Plans Canada and Mexico Calls (1)、EU Vows Trade Retaliation With Tusk Slamming ‘Stupid Tariff War’(抜粋)
(第2、5-7段落に欧州首脳の反応を挿入し、第3段落にトランプ氏発言を、最終段落に南アフリカに関する記述を加えます)
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