(ブルームバーグ):ほぼ無名の米国の上場投資信託(ETF)がオンライントレーダーの注目を集めている。イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発スペースXを組み入れた同ETFには、個人投資家の資金が大量に流入している。
「ERシェアーズ・プライベートパブリック・クロスオーバーETF(XOVR)」が昨年12月にスペースXへの投資を開始して以来、同ETFには1億2000万ドル(約190億円)超の資金が流入。7年にわたる運用期間で最高額を記録し、同ETFの資産規模を2億5000万ドルに拡大させた。
ブラックロックやインベスコなど大手資産運用会社はそれぞれのETFを通じ、非公開企業への投資機会提供を競い合っている。しかしCFRAリサーチによれば、スペースXに投資する米国のETFは17日時点でXOZRのみ。非公開企業の中でも特に注目度の高いスペースXへの貴重な投資機会を同ETFは個人投資家に提供している。

ERシェアーズの創業者ジョエル・シュルマン最高経営責任者(CEO)は、XOZRは特別目的会社(SPV)を通じてスペースXに投資していると説明。非公開株をどのように購入しているかは機密事項だと述べた。
成功を収めている企業の一部は訴訟リスク回避などの理由で上場をもはや望まなくなっているが、そうした企業に個人投資家がアクセスできないのは不公平だとシュルマン氏は考えている。
「数年の間に企業価値が1000億ドルから3000億ドルに膨らんだスペースXのような企業を見ると、機関投資家などが利益を得ている一方で個人投資家は傍観しているしかない」とし、「われわれにとってスペースXは長期保有対象であり、それを変更するつもりは一切ない。むしろ、さらに追加する可能性もある」と語った。
原題:SpaceX Addition Spurs Flood of New Cash Into Little-Known ETF(抜粋)
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