(ブルームバーグ):今決算シーズンは、ドル上昇の影響で米企業の間で利益に大きな開きが生じる可能性が高いと、米モルガン・スタンレーのストラテジストが指摘した。利益は国内に注力する企業が、国外での売り上げの多い企業を上回るとみている。
昨年11月の米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利して以来、ドルは大きく上昇している。同氏の税制や関税政策がインフレをあおる可能性があるとの見方が背景にある。また底堅い経済動向を背景に連邦公開市場委員会(FOMC)が高めの政策金利を長期化させ得るとの見方も、ドルを一段と押し上げている。
マイケル・ウィルソン氏率いるモルガン・スタンレーのチームは、S&P500種株価指数の構成銘柄は国外の売上高比率が30%未満のため、ドル上昇は通常、同指数のパフォーマンスの幅の広がりにつながると分析。家庭用品やテクノロジーハードウエア、食品・飲料関連の銘柄が最も国外へのエクスポージャーが高い一方、通信サービスと公益は最もリスクが低いと指摘した。
ウィルソン氏はリポートで、「今決算シーズンは、ドル高が市場全体におけるパフォーマンスのばらつきを大きくさせる主な要因になる可能性があると考えられる」と記述。ドルとの関連性がより強く、このところアンダーパフォームしているセクターは、その傾向が今後も続くと予想した。
ただそれでも、「国内の堅調な成長がドル上昇の主因である限り」、S&P500種全体のパフォーマンスは底堅さを維持し得るとも指摘した。ウィルソン氏は長年にわたり株式に対して弱気な姿勢を維持してきたが、昨年半ばにその姿勢を撤回した。
原題:Morgan Stanley’s Wilson Sees Big Gap in Profits on Strong Dollar(抜粋)
--取材協力:Michael Msika.
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