27日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=157円台半ばに上昇。海外時間に約5カ月ぶりに158円台まで円安が進んで通貨当局のけん制が警戒される中、加藤勝信財務相が円安をけん制したことで円買いが優勢となっている。

加藤財務相は臨時閣議後の会見で「為替動向を憂慮しており、行き過ぎた動きには適切に対応する」と述べた。

あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、前日に158円08銭と7月17日以来の水準に円が下げ、日本銀行の植田和男総裁の講演を消化したと指摘。「東京時間は通貨当局によるけん制発言への警戒から、利益確定の円買い戻しの動きが出やすい」と述べていた。

週末を控えた持ち高調整の動きも円を下支えしている。金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけてドル買いが強まったが、一時的だった。

SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は「日銀が利上げを来年3月まで見送る可能性が意識される中で、円を買う理由が乏しい」と指摘。円の上値は重いとの見方を示した。

 

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