トヨタ自動車株が26日の取引で一時6.1%上昇。自己資本利益率(ROE)の目標を2倍に引き上げるとの前日の報道を受けた買いで大幅に続伸している。

株価は2日間で約11%高と、2営業日の日中上昇率として8月7日以来の大きさとなった。日本経済新聞は25日、トヨタがROEを倍増となる20%に引き上げると同社幹部への取材を基に報じた。達成時期は明らかにしていないが、2030年前後を想定しているとみられるという。トヨタの広報担当は具体的なROE目標や達成期限はないとコメントした。

大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト兼テーマリサーチ担当は、会社側の否定コメントが出た後も株価が堅調なことについて、「恒常的にアンダーウエートにしている投資家が多く、休み明けの動向にも期待だ」と26日付のリポートに記した。

今年のトヨタ株は円安を追い風に上昇しているが、11月に発表した第2四半期(7-9月期)の営業利益は前年同期比20%減となり、市場予想を下回った。25日に開示した11月のグループ全体の世界販売台数は、需要の低迷と生産の一時停止が重なり、前年同月からほぼ横ばいにとどまった。

モルガン・スタンレーMUFG証券アナリストの垣内真司氏は、日経の報道が正確であれば、利益率のさらなる向上のため「バリューチェーン収益拡大が必要」だとリポートで指摘した。資本効率の改善策として、保有株式の売却と「それを活用した株主還元の一段の強化が注目される」とも述べた。

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