元お笑い芸人で個人投資家の井村俊哉氏が日本株ファンドの運用助言を始める。

公募投資信託「fundnote日本株Kaihouファンド」設定についての有価証券届出書が関東財務局に25日提出され、井村氏とゴールドマン・サックス証券アナリストだった竹入敬蔵氏が設立した投資助言会社Kaihouが運用助言する。当初募集は100万円以上で1円単位、2025年1月10日から24日までで100億円が上限。設定は27日、運用・販売は独立系運用会社Fundnoteがする。

井村氏は100万円を元手に資産を拡大させて銘柄選定に定評があり、株式保有が分かると個人投資家などが追随、株価が急騰するケースがある。その井村氏が運用助言に今回乗り出す。日本株は割安銘柄が少なくなく、アクティビスト(物言う株主)の保有で株価が上昇する例が最近ある。同時に割安のまま低迷が続く「バリュートラップ」のリスクが常につきまとい、井村氏らの目利きが問われる。

ブルームバーグのインタビューで井村氏は「こだわるのは徹底的にアルファを取ることだ」と述べた。アルファは市場が気づいていない、企業本来の価値と株価との差を示しており「アルファが取れるなら企業とのエンゲージメント(対話)をする」とも語った。

戦略

エンゲージメントの一例として社外取締役との対話を挙げて「社外取締役は株主価値が上がるかを判断すべき立場である」とした。求められるのは必要に応じて取締役会に反対したり批判したりすることだとの見解だ。

井村氏や竹入氏によると、Kaihouは日本の全上場企業で開示資料などを通じて投資妙味のありそうな銘柄を分析する。投資のアップサイドとダウンサイドリスクをそれぞれ70と30、計100点で評価、アップサイドでは株価を押し上げる可能性のある材料などを点検。量や影響力、実現確率などを軸に評価する。ダウンサイド面は、独自のネットキャッシュ算出モデルなどを用いた分析をする。

Kaihouは23年設立で資料によると、株価収益率(PER)や株価キャッシュフロー倍率などにも着目するほか、議決権行使を含む投資助言をする。IRや資本効率、ガバナンスを中心に企業と対話し、改善点など指摘する。

(第4段落に井村氏の発言などを追加して更新します)

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