英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の親会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は、預け入れ手荷物の取り扱いシステムに米アップルの紛失防止機器「AirTag」を採用した。紛失物の位置を追跡できるAirTagの導入により、コストを削減するほか、行方の分からなくなった手荷物をより迅速に探し出すことを目指す。

IAGのイノベーション担当責任者、アナリサ・ギガンテ氏はインタビューで、スペインのイベリア航空やアイルランドのエアリンガスを含む傘下の航空会社全てでAirTagを採用したと説明。現在は試験中であり、どの程度の経費削減につながるかはまだ分からないという。

「どこに何があるかを正確に把握でき、可能な限り早急に乗客の元に手荷物を戻せるようになる」とギガンテ氏は語った。

アップルは11月、「iPhone(アイフォーン)」のユーザーがAirTagの位置情報を第三者と共有できるよう機能を拡充。当時アップルは、BAのほか、米デルタ航空やドイツのルフトハンザ航空、シンガポール航空など15を超える航空会社がこの新機能を利用し始めると説明していた。

AirTagの入った手荷物を紛失した乗客は、位置情報のリンクを航空会社と共有することができ、それを元に航空会社はそれぞれのシステムを通じて手荷物を探す。位置情報リンクは共有してから7日後、または手荷物が乗客の元に戻った時点で有効期限が切れる。

手荷物取り扱いシステムへのAirTag組み入れを求める声が高まったのは、新型コロナウイルス禍後。旅行客が急増した一方、航空会社や空港は突然のビジネス回復に対応する準備が整っていなかった。そうした混乱の中、紛失した手荷物を見つける上ではバーコードを主体とした標準的な技術よりも、ブルートゥースを活用した追跡装置の方が効果的であることが浮き彫りとなった。

「技術が成熟して活用が理にかない、状況が急速に改善するというのであれば、当然それを優先すべきだ」とギガンテ氏は述べた。

原題:British Airways Owner Adopts AirTags in Bid to Find Lost Luggage(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.