米アマゾン・ドット・コムは今月、インドで即時配送サービスの試験運用を開始する。新興市場担当のアミット・アガルワル上級副社長が10日、明らかにした。インドで始めたばかりの速達事業で、トップ企業と競合する考えだ。

アマゾンは、インド南部のハイテク産業の中心地であるバンガロールの一部地域で、15分以内という新たな配送サービスを試験的に実施する。その後、より広範囲で展開していく可能性もあるという。

アガルワル氏は、10日にニューデリーで開かれたイベントでブルームバーグニュースの取材に応じ、このサービス向けの商品カタログは、対象となる地域ごとに食料品から家庭用品まで様々になると述べた。アガルワル氏は商品について「非常に的を絞ったものになる」とし、利用者が多い地域では、多くの書籍を含む即時配送の商品ラインナップが必要になる可能性があると説明した。

アマゾン・ドット・コムのアミット・アガルワル上級副社長

インドでは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後に食料品配達市場が急拡大し、食品宅配大手のゾマト傘下のブリンキット、比較的な小規模なスウィギー、タタ・グループのビッグバスケットなどの企業が市場を独占している。ウォルマート傘下のインドのオンライン小売業者フリップカートも今年、ミニッツというサービスで参入した。

インドでは、10分程度で食料品を配達するサービスが数多く展開されているが、数日または数時間かかる世界の他のサービスと比較すると、驚異的な速さだ。インドで消費主義が台頭し、向上心のある中流階級がスピーディーな満足感を求めていることが急拡大の背景にある。

原題:Amazon Tests 15-Minute Delivery in India, Ramping Up Competition(抜粋)

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