米アマゾン・ドット・コムの衛星インターネット事業は、2026年1-3月(第1四半期)末までに米国、カナダ、フランス、ドイツ、英国でのサービス開始を目指している。幹部1人が明らかにした。

低軌道衛星ブロードバンドネットワーク「プロジェクト・カイパー」の政府向けソリューション部門のリッキー・フリーマン社長は15日、年末までに200基余りの衛星を軌道に配置する予定だと語った。アマゾンは25年後半までにサービス開始を見込んでいると説明していたが、対象となる市場や具体的な開始時期は明らかにしていなかった。

アマゾンは最終的に3200基超の通信衛星網を構築し、個人顧客や企業、政府に接続サービスを提供することを目指している。

フリーマン氏はパリで開かれた「世界宇宙ビジネスウイーク」でカイパーについて、今後はさらなる衛星を投入してより南方の地域にサービスを広げる方針で、通信網は26年末までに最大26カ国、27年には赤道まで到達するだろうと話した。

同氏によると、アマゾンは28年までに「およそ88-100カ国でサービスを提供し、極地を含む世界全域をカバー」する計画だ。その時点で、当初計画した配備数を超え、追加の衛星打ち上げが必要になるという。

プロジェクト・カイパーの衛星を搭載したロケット(4月、フロリダ州ケープカナベラルにて)

フリーマン氏は「現状に非常に満足している」と述べた。

アマゾンの広報担当は、フリーマン氏の発言以上のコメントを控えた。

イーロン・マスク氏の衛星通信サービス「スターリンク」に対抗するアマゾンのカイパーチームは、計画遅延に度々見舞われ、今年に入っても衛星の生産強化に苦戦していた。しかし、その後は4回にわたり衛星を打ち上げ、今月後半にも新たな打ち上げを予定している。

原題:Amazon Expects Kuiper to Serve Five Countries by Early 2026 (1)(抜粋)

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