(ブルームバーグ):楽天グループの株価が一時7.6%高と続伸し、8月28日以来の日中上昇率を記録した。同社が6日に発表した株主優待を好感した買いが入った。
優待内容は12月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、「楽天モバイル」の月30ギガバイト(GB)プランを1年間無料で提供するというもので、前期に続く実施となる。
クイッディティー・アドバイザーズのアナリスト、トラビス・ランディ氏は、株主優待が個人投資家にとって株式を「購入する大きな動機」になるとみる。無料の通信プランは年間で約3万円の価値があり、これは100株の購入資金(6日時点)の3割に相当すると指摘した。ただ、権利付き最終日である26日までに購入すれば優待の権利が得られるため、株価上昇の追い風は長続きしない公算があるとも付け加えた。
株主優待では、東京地下鉄(東京メトロ)が乗車券や運営するそば・うどん店でのかき揚げトッピング無料券などを進呈する制度の導入を発表し、株式の新規上場時に個人投資家の需要を集めた。ソフトバンクはPayPayのポイント提供を4月に発表した。
楽天Gは2024年7-9月期まで17四半期連続で純損益が赤字となった。重しとなっているモバイル部門の損失は縮小傾向にあるが、黒字化は見えていない。
楽天Gの株価は6日現在、年初来で37%上昇し、東証株価指数(TOPIX)の15%高を上回っている。ブルームバーグが集計したデータによると、アナリストによる楽天Gの投資判断は「買い」が5、「ホールド」が9、「売り」が1となっている。
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