(ブルームバーグ):世界最大の資産運用会社、米ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)がプライベート市場に深く進出し買収を繰り広げる中、被買収会社の創業者にはフィンク氏自身の資産以上の富がもたらされ、新たなビリオネア(保有資産10億ドル以上)が生み出されている。
ブラックロックは3日、プライベートクレジット会社HPSインベストメント・パートナーズを買収することで合意したと発表した。全額株式による取引で、買収額は約120億ドル(約1兆8000億円)。
ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、この買収により元ゴールドマン・サックス・グループ社員でHPS創業者のスコット・カプニック氏、スコット・フレンチ氏、マイク・パターソン氏の純資産額は合計で86億ドルとなった。同指数によると、フィンク氏の資産は推計18億ドル。
フィンク氏にとって、プライベート市場での買収は今年に入りこれで3件目となる。1月にはオルタナティブ投資会社のグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)を約125億ドルで買収することで合意。GIPの会長兼CEO、アデバヨ・オグンレシ氏に23億ドルの富がもたらされた。
年央にはプライベートキャピタルのデータベース提供企業、英プレキンを25億5000万ポンド(現行レートで約4800億円)で買収すると発表。創業者のマーク・オヘア氏は約20億ドルを獲得した。
運用資産が11兆5000億ドルに上るブラックロックは、株式や債券などの公開市場から需要が高まっているプライベート市場への進出を目指している。HPS買収に関する発表資料によると、カプニック、フレンチ、パターソンの3氏はブラックロックの新しいプライベート・ファイナンス・ソリューション事業を率いることになる。
原題:Fink Mints More Fortunes Bigger Than His in Private Markets Push(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.