中国人延べ宿泊者数が持ち直し

外国人宿泊者数の推移外国人宿泊者数のうち、国別が分かる従業者数10人以上の施設でみると、2024年10月の中国人延べ宿泊者数は2019年比▲9.0%(9月:同▲13.1%)と、マイナス幅が縮小している。
10月の訪日中国人数は2019年比▲20.2%だが、中国人旅行者の宿泊日数が増加したことで、延べ宿泊者数は訪日外客数を上回る速度で回復している。

中国では消費が弱い動きになっていることから、中国人延べ宿泊者数が停滞するリスクはあるが、コロナ禍前に比べて為替レートが円安の水準にあることが追い風となって、外国人延べ宿泊者数は増加を続けることが予想される。

日本人延べ宿泊者数は今回、2019年比二桁の高い伸びとなったが、これは、2019年10月に消費税増税によって宿泊者数が落ち込んだ反動もある。日本人の旅行需要は引き続き、物価高の向かい風を受けて横ばい圏内での推移が見込まれるため、今後の日本全体の旅行需要はインバウンド需要に左右されるだろう。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究員 安田 拓斗)