観光庁が11月29日に発表した宿泊旅行統計調査によると、2024年10月の延べ宿泊者数は6,011万人泊(9月:5,371万人泊)、前年同月比7.1(9月:同2.9%)、2019年比20.1%(9月:同10.1%)となった。2ヵ月連続で2019年比二桁の高い伸びとなった。

日本人延べ宿泊者数は6ヵ月ぶりに前年比プラス

2024年10月の日本人延べ宿泊者数は4,481万人泊(9月:4,133万人泊)となった。2019年同月比では12.6%(9月:同2.0%)と大幅に伸びを高め、コロナ禍以降初めての二桁の伸びとなった。

ただし、2019年10月に消費税増税によって宿泊者数が落ち込んだため、その反動で高い伸びとなった面もある。前年比では2.8%(9月:▲1.8%)と6ヵ月ぶりのプラスと、物価高の向かい風を受けながらも持ち直した。2024年10月の外国人延べ宿泊者数は1,529万人泊(9月:1,238万人泊)、2019年同月比は49.0%(9月:同49.8%)、前年比は22.4%(9月:同22.7%)となった。円安の追い風を受けて、外国人延べ宿泊者数は好調を続けており、延べ宿泊者数全体を押し上げている。

客室稼働率の推移2024年10月の客室稼働率は全体で66.1%(9月:同62.0%)、2019年同月差は2.5%(9月:同▲1.4%)と、コロナ禍以降、初めてプラスとなった。
ただし、これについても2019年10月の消費税増税が影響している可能性がある。

前年同月差では4.2%(9月:同2.3%)とプラスで推移している。宿泊施設タイプ別客室稼働率をみると、旅館は40.9%、2019年同月差1.4%(9月:同▲1.1%)、リゾートホテルは61.0%、2019年同月差3.2%(9月:同▲3.5%)、ビジネスホテルは80.0%、2019年同月差2.7%(9月:同▲0.7%)、シティホテルは77.5%、2019年同月差▲3.1%(9月:同▲7.7%)、簡易宿所は34.1%、2019年同月差1.4%(9月:同▲4.6%)であった。

シティホテルで2019年同月差がマイナスとなったが、旅館、リゾートホテル、ビジネスホテル、簡易宿所ではプラスとなった。また、前年同月差をみると、旅館が前年同月差0.5%、リゾートホテルが同4.0%、ビジネスホテルが同5.4%、シティホテルが同2.4%、簡易宿所が同7.6%といずれもプラスとなった。

延べ宿泊者数は三大都市圏を中心に回復

速報より1ヵ月遅れて公表される都道府県別の延べ宿泊者数をみると、9月は東京都が2019年比33.8%、愛知県が同14.7%、大阪府が同18.7%と回復している一方、それ以外の地方では2019年比マイナスや一桁の伸びとなっている地域が多く、回復に差がみられる。

9月の外国人延べ宿泊者数をみると、東京都は2019年比89.3%、大阪府49.0%と大幅に増加した結果、三大都市圏では同56.6%の高い伸びとなった。しかし、地方では2019年比36.1%と三大都市圏に比べると増加幅は小さい。

外国人延べ宿泊者数は大都市圏を中心に全体を押し上げている。今後も大都市へ外国人宿泊者が集中する傾向は継続することが予想される。