メキシコのエブラルド経済相は11月29日、主に中国から流入する違法商品の対策として、国内全域で「一掃」作戦を実施する計画だと発表した。

同相によると、国内全32州の港湾や空港を含む各地での捜索を経済省が主導する。28日には、中国製品が売られていることで知られるメキシコ市のショッピングセンターで、当局による200人体制の捜索が行われ、推定計750万ペソ(約5500万円)相当の商品26万点余りが押収されていた。

経済省対外貿易局の技術担当官ルイス・エンリケ・バスケス氏は電話インタビューで、「こうした調査により、国内に流入する違法商品の規模を把握できる」と指摘。次の捜索が行われる時期と場所については、セキュリティーを理由に言及を控えた。

米国とカナダはメキシコの対中貿易慣行について、北米の同盟国と足並みがそろっていないとして懸念を表明。トランプ次期米大統領が先週、移民やフェンタニルなどの違法薬物の流入を抑制するよう圧力をかけるため、近隣諸国に関税を課す方針を示したことで、投資家の不安も高まっている。

この動きがトランプ氏に対するジェスチャーかどうかとの記者団の質問に対し、エブラルド氏は捜索を受けたメキシコ市のショッピングモールについて、トランプ氏からの電話は受けていないと冗談交じりに語った。

メキシコの商業会議所は、中国系電子商取引プラットフォームが商品への課税を回避するためにルールを曲げていると非難している。バスケス氏によれば、経済省は現在、財務省や税務当局と協力し、これらのプラットフォームから確実に税金が支払われる仕組みづくりに取り組んでいる。

バスケス氏は、今回の措置は数カ月前から準備されており、米国からの圧力によるものではないと説明。

「たった一つの発言を巡り、わずか数日でこうした作戦を策定することはできない。われわれは数カ月前から計画していた」と述べ、この対策はメキシコの地元産業にとってより良い環境を保証することを目的としていると付け加えた。

原題:Mexico Kicks Off Operation to End Flow of Illegal Chinese Items(抜粋)

--取材協力:Alex Vasquez.

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