(ブルームバーグ):来週の円相場は対ドルで底堅く推移しそうだ。米国で12月の利下げ織り込みが進む一方、日本銀行の早期利上げ期待が高まっており、日米の金利差縮小観測が円を支える。週末に米雇用統計の発表を控えているほか、トランプ次期米大統領の発言も警戒され、値動きが荒くなる公算がある。
市場関係者の見方
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長
- 米連邦準備制度理事会(FRB)はデータ次第の姿勢だが、このままなら12月に利下げする可能性が高く、6割強の織り込みがさらに進みドルは売られやすい
- 米感謝祭休暇前にストップした米金利高・ドル高のトランプトレードが再開するかどうかも相場のポイント
- 米雇用統計が利下げ観測を大きく左右する点では波乱含みの展開にもなりやすく、1ドル=148円から152円(200日移動平均線)程度のレンジでみておく必要がある
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長
- パウエルFRB議長の発言や米雇用統計で大きな変化がなければ、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われるとみている
- 日銀は植田和男総裁が利上げのサインを示しており、12月のチャンスを逃さないのではないか
- トランプ次期米大統領が追加関税をいきなり表明するなどの「トランプ・ショック」は警戒しておく必要、ただ米雇用統計を確認するまでは一方向に動きづらい面もある
来週の主な予定
- 2日:7-9月期の法人企業統計、ウォラーFRB理事が講演、11月の米ISM製造業景況指数
- 3日:10月の米求人件数
- 4日:パウエルFRB議長が討論会で発言、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、11月の米ADP雇用統計、11月の米ISM非製造業総合景況指数
- 5日:日銀の中村審議委員が講演・会見
- 6日:10月の毎月勤労統計、11月の米雇用統計、12月の米ミシガン大学消費者マインド指数
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