フランスの酒造会社レミーコアントローのエリック・ヴァラ最高経営責任者(CEO)は28日、同社が重視する米国の市場でようやく回復の兆しが見えてきたとの認識を示した。

レミーの株価は通期売上高が市場予想より大きく落ち込むとの見通し発表後に急落していたが、CEOの発言を受けて反発。一時6.3%高となった。

CEOはアナリストとの電話会見で、「VSOPシャンパーニュ」や、ミュージシャンのアッシャーとタイアップしている「レミーマルタン」など、主力ブランドへの投資を拡大し、米市場の回復に備えていると説明。「最近、コニャックにいくつかの明るい兆しが見られる」と述べ、米国の市場全体が安定しつつあると付け加えた。

生活費の高騰で消費者が出費を抑えている米国では、コニャック販売は大きな打撃を受けている。一部の競合企業とは異なり、レミーは利益率を守るため値下げには踏み切っていない。

ただ、米市場の不振に対応しコスト削減を進めており、年末までに同市場が回復し始めるとの見通しをこの日示した。

レミーは2025年3月期の通期売上高が最大18%減少するとの見通しを維持。ブルームバーグの集計したアナリスト予想は11.8%減。

同業のペルノ・リカールなどは、中国が欧州連合(EU)産ブランデーに対して暫定的に導入した反ダンピング(不当廉売)措置の影響も受けている。

レミーは中国での追加関税について、今期の財務状況への影響は「限定的」だが、来期以降の影響を軽減するための行動計画を始動させる方針を示した。

ヴァラCEOはトランプ次期米政権下での関税の潜在的脅威に関し、中国で同社が直面する打撃ほど懸念すべきものではないと指摘。トランプ氏が打ち出している輸入品に対する関税に言及し、「10%で、われわれが確実に葬られることはない」と語った。

原題:Remy Shares Bounce Back as Cognac Maker Eyes US Recovery (3)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.