創業家などから買収提案を受けているセブン&アイ・ホールディングスの信用買い残が急増した。早期の買収実現への期待が高まり、個人投資家の間で人気化した。

東京証券取引所が26日発表した信用取引残高(22日時点)によると、セブン&アイの信用買い残は2753万株と前の週から3.3倍に増加。8月にカナダのアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたことが明らかになって以降の最高水準となった。

 

同社については前週、創業家などが株式公開買い付け(TOB)を実施し、今年度中に手続きを完了させる案を軸に調整しているとNHKが19日夜に報道。株価は20日に一時11%高の2703円まで上昇した。

東海東京インテリジェンス・ラボの仙石誠シニアエクイティマーケットアナリストは、不透明だったMBO(経営陣が参加する買収)の実施時期が明らかになったことで、「実現の可能性が高まり、買い残増加につながった」と語る。

ただ、買収には巨額の資金調達も必要になるため、足元の株価は2600円近辺で伸び悩んでおり、ニュースを機に買った投資家の含み益は乏しい状況だ。「投資家は思ったほど株価反応が良くないと捉えている公算があり、MBOが進まないと売りが出てくるリスクがある」と仙石氏はみている。

(最終段落に詳細を追記します)

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