英国は公務員賃上げに関するスタンスを厳格化する方針だ。慎重な財政運営により金融市場の懸念払拭を目指すリーブス財務相の新たな取り組みの一環。

複数の政府高官がスタンスの厳格化と指摘する新たな方針では、インフレ率を上回る昇給ペースを認めるのは生産性向上によって原資を確保できる場合に限られる。英財務省高官は、これは公務員と納税者の双方にとって正しいアプローチだと述べた。

この政策変更は10月30日の財務相による財政報告と同時に公表された文書に盛り込まれた。 スターマー氏は7月の首相就任後、ストライキを行っていた複数の職種の公共部門労働者の賃上げ要求を受け入れていた。

同文書は「2025-26年度に公共部門労働者に公正かつ適時な昇給を実施する政府方針に変わりはないが、昇給の実施に必要なトレードオフを慎重に検討する必要がある。中期的に、インフレ率を上回る昇給が可能になるのは生産性向上によって原資を確保できる場合のみだ」としている。

この動きはリーブス財務相の政府支出抑制の意向を示すものと受け止められる見通し。しかし、労働党は労働組合からの批判に直面する可能性が高い。

リーブス財務相は英国債急落が自身の借り入れ拡大計画への批判と見なされたことから、市場の不安解消に努めている。同相は10月31日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、労働党政権の「最優先のコミットメント」は「経済・財政の安定」だと語った。

ブルームバーグテレビジョンのインタビューで語るリーブス英財務相

原題:Reeves Toughens Stance on UK Public Pay Rises to Show Restraint(抜粋)

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