動画配信サービスの米ネットフリックスがC.S.ルイスの児童小説「ナルニア国物語」の新たな映画化作品の世界的な劇場公開を巡り協議していると、事情に詳しい関係者が述べた。ネットフリックスにとって映画館との最大級の取引になる可能性がある。

今回のナルニア国物語リメーク版は、昨年の大ヒット作「バービー」を手掛けたグレタ・ガーウィグ氏が監督を務める。ガーウィグ氏は新作の劇場公開を望んでいるが、ネットフリックスはこうした配給モデルに抵抗感を示し、自社の動画配信サービスを優先している。

ネットフリックスと大手映画館チェーンが合意に至ったことはこれまでにない。ただ、ガーウィグ氏や新作のプロデューサーらは、大型スクリーン映画館向け映写システムの設計を手掛けるカナダのアイマックスに望みをかけている。

非公開情報を理由に匿名を条件に話した関係者によると、世界約90カ国に2000スクリーン近くを展開するアイマックスはガーウィグ氏に対し、ネットフリックスが同意すれば新作を今後の映画ラインアップに加える意向を示した。ただ協議はまだ初期段階で、最終決定されていないという。

また劇場公開は、 世界最大の映画館チェーンである米AMCエンターテインメント・ホールディングスや英シネワールドが運営する米映画館「リーガル」などアイマックスのシステムを導入している映画館チェーンの承認が条件という。

ガーウィグ氏、アイマックス、ネットフリックスの担当者はコメントを控えた。

ネットフリックスは2018年にナルニア国物語の映画化権を取得し、昨年にカーウィグ氏を監督として起用。少なくとも1億7500万ドル(約267億円)を投じると見込んでいる。

ガーウィグ氏は以前、ルイーザ・メイ・オルコットの小説「若草物語」を映画化し、全世界で2億1890万ドルの興行収入を上げていた。

原題:Netflix Said to Discuss Releasing ‘Narnia’ Film in Imax Theaters(抜粋)

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