マッコーリー・グループは、オーストラリア金融界で最高の人材を輩出する投資銀行として、長年「ミリオネアファクトリー(百万長者製造工場)」と呼ばれてきた。

そんな同社がシドニー中心部に完成させた40階建てのグローバル本社は、ドーム型の屋根に円形のロゴをあしらったかわいらしいデザインで、「ミニオン」の愛称が付いた。ミニオンは映画「怪盗グルーのミニオン危機一発」シリーズのキャラクター。

マッコーリー・グループの新本社

新本部は2棟のビルにまたがる8万2000平方メートルの広さを誇り、9000人以上のスタッフが勤務する。これまで5カ所に分散していた社員を1カ所に集結させた。

1920年代に建てられた銀行支店の建物を改装した新本部は最上部にガラス張りのアトリウムがあり、中央に位置するシェマラ・ウィクラマナヤケ最高経営責任者(CEO)のオフィスは、全社員から見えるようになっている。

デザインは議論を呼んでいるが、ミニオンに似ているのは意図的なものではないだろう。マッコーリーの企業不動産部門責任者、マイケル・シルマン氏はインタビューで「派手すぎず、うるさくないもの」を求めていたと語った。

建物の低層階の大部分は公共施設との混合利用に充てられており、同社の美術品コレクションを展示するギャラリーや会議室、700人収容可能なイベントスペースなどが設けられている。 プレゼンターの控室(グリーンルーム)は文字通り緑を基調とした内装で、この高層ビルの敷地にかつてあった住居用アパートの一つを模したレトロなスタイルとレイアウトが保たれている。

雨水の収集と再利用、天候やスタッフの利用状況に応じた照明と換気の自動化など近代的な工夫が凝らされ、オーストラリアで最高の不動産持続可能性評価を得ている。

原題:Macquarie’s Splashy New Headquarters Is Dubbed ‘The Minion’(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.