(ブルームバーグ):17日の日本市場では株式が続落。前日にオランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングの業績悪化を受けて急落した半導体関連株がこの日も売られた。外国為替市場での円安進行一服も企業業績に対する慎重な見方につながった。円は小幅高、債券は超長期債が上昇した。
ASMLのクリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)は16日、半導体市場が「2025年に入ってもかなりの間」は遅々とした回復にとどまるとの見方を示した。同社は15日に決算を発表し、受注落ち込みと売上高見通しの下方修正によって世界的な半導体株安を引き起こしていた。
午後には半導体の受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)が7-9月(第3四半期)決算を発表。純利益はアナリスト予想を上回り、半導体株の一角は一時下げ幅を縮小したが、前日終値を上回るには至らなかった。
株式
株式は続落し、日経平均は安値引け。半導体関連株が引き続き売られた。TSMCの決算を受けて下げを縮小する場面があった。
TOPIXの下落寄与度1位はキーエンス。 指数を構成する2127銘柄のうち751銘柄が上昇し、1255銘柄が下落した。
大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、半導体関連株には「少し気迷い感がある」と指摘。ASMLの決算内容が個別要因だったのかを見極めたいという見方があると話していた。

為替
円相場は1ドル=149円台半ばで推移。日本株の下落を受けたリスク回避の流れに加えて、150円の心理的節目を前にした利益確定や実需の円買いが支えとなった。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは、「149円台後半になると利益確定のドル売り・円買いが入りやすい」と話す。きょうは米国株の先物が安く、日経平均も下落する中で「株価と円が相互に影響」したと指摘した。
日本時間夜に発表される9月の米小売売上高については、「米経済の強さのもとになっている個人消費を見る上で重要」だとし、「これで年内の利下げが2回ではなく1回との見方になれば、かなりのドル高圧力になり得る」との見方を示した。

債券
債券は超長期債が上昇。超長期ゾーン対象の流動性供給入札が強めの結果となり、30年債や40年債などが買われた。半面、先物は買い先行後に売りに押されて軟調だった。
東京海上アセットマネジメント債券運用部の海老原慎司チーフ債券ストラテジスト兼シニアファンドマネジャーは、流動性供給入札は強めの結果だったと指摘。「午前の値動きから40年債などの既発債に需要があったようだ」と述べた。中期債や先物が安いのは「需給的な要因もあるが、超長期債が強い中で利回りがフラット(平たん)化しているイメージではないか」と話した。
残存期間15.5年超39年未満を対象とする流動性供給入札の結果によると、応札倍率が3.2倍と前回8月27日の同年限の入札(3.1倍)から上昇した。最大利回り格差はマイナス0.017%、平均利回り格差はマイナス0.017%となった。
日本債券: 流動性供給の過去の入札結果 (表)
新発国債利回り(午後3時時点)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.