(ブルームバーグ):16日の債券相場は上昇。米国で製造業景況指数の悪化や原油価格の急落を受けて長期金利が低下した流れを引き継いでいる。日本銀行の安達誠司審議委員の発言に対する反応は限定的だ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、安達委員の発言について、利上げを継続する方針を示したものの、「市場が注目していた『時間的な余裕』や米経済に関する具体的な指摘がなかったので反応しづらい」と述べた。
安達委員は16日、香川県金融経済懇談会で講演し、金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしているとの見解を示した。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、堅調な相場展開としつつ、財政規律に比較的厳しいとみられていた石破茂首相が補正予算規模は13兆円超との考えを示したことで、超長期債中心に買い進みにくくなる可能性があるとの見方を示した。
16日付の日本経済新聞は、石破首相が2024年度補正予算を巡り、23年度の13兆円を上回る規模にするとの考えを示したと報じた。稲留氏は、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の25年度黒字化の実現も遠のく恐れがあると指摘した。

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