“普通”と信じたわが子 診断を受け「絶望」

もっくんママが発達障害をまったく疑わなかったわけではありません。子どもの助けになればと『療育』という子どもの発達支援をしてくれる施設に通ったり、病院に相談したこともあったそうです。

もっくんママ
「(病院で)『脳波をとれば自閉症かどうかの診断がハッキリつきますよ』と言われて、撮ったら『普通の3歳の子の脳波です』ということだったんで」

ーーそのときは安心しましたか?

「良かった、って思ってました。『幼稚園に通っていけば普通の子になる』ってもう本気で思ってました」

『息子は自閉症じゃない』安堵したもっくんママは、療育を辞めることを決意します。しかしそこで先生に言われたことは、今でもはっきりと覚えているといいます。

もっくんママ
「療育の先生と1対1の面談をしてもらって『自閉症じゃないから(療育を)やめる、幼稚園1本だけにする』と伝えたときに先生がはっきりと、『いま幼稚園でお友達とちゃんと関わってますか?』『もっくんのような子が、幼稚園に行ったときに友達と仲良くできると思う?』と。そのときに気づかされました。『あぁ、そういうことか』って」

ーーその先はどうなっていったんですか?

「(療育手帳を)取れるんだったら、この子のためにちゃんと生きやすいような環境整備を整えてあげないといけないな、と。療育手帳を取れるかわからないけど、取りに行ってから、トントンって感じで。

その場で『おそらく、もう発行されると思います』って言われたときに、心臓がショックでドキッとする感じ」

その後、医師から受けた診断は軽度~中度の自閉症。もっくんに障害があることが確定した瞬間でした。

お先真っ暗になっちゃったっていう。妹が生まれて、家族4人で幸せに楽しく、というような暮らしを夢見てたところはすごくあったので。それがもうないんだ、この子をどうしていってあげたらいいんだろう、とか絶望的な感じ、ですよね。もう何しててもなんかお葬式みたいな感じで、毎晩お通夜みたいで」

ーーそこからどう気持ちを切り替えていくことができたんですか

「そうですねもう、走るしかない、って思いました。やっぱり考えると、先に進めない、進めない。進めないですよね、やっぱり。だから、走るしかないって。どうせ生きてるんだから、走るしかないという感じでした」