ブラック企業は「会社のメッセージ」で見分ける
エン・ジャパンが運営する「エン転職」が5700人以上を対象に実施したアンケート調査(2023年)によると、回答者の32%がいま働いている会社をブラック企業だと回答している。勤めている会社がブラック企業だと思う理由のトップは、「仕事に見合わない低賃金だから」。ほかにも、「離職率が高いから」「仕事で成長できるが、長時間労働が当たり前だから」という理由が並ぶ。

──約3人に1人がブラック企業に勤めていると考えると、他人ごとではありません。中野さんなら、どうやって見分けますか。
「まず前提条件として、労働基準法を守ってなければ、やばいじゃないですか。それは当たり前の中で、一番わかりやすいのは、メッセージにお客さんの話がないのはまずいかなと思います。僕がビッグモーターにいたときは、『お客さんの期待に応えたい』『お客さんに求められてるから出店する』という、絶対お客さんがセットだったんですよ。

ところが、辞める前ぐらいから、“男のロマン”とかってなってきて。最後の方に辞めた社員の話を聞くと、『お前がやらんと俺が怒られるんやで』っていうプレッシャーのかけ方だったらしいんですよ。『これだけ給料もらってて、その仕事で許されるわけねえだろう』『俺が怒られる』っていうオペレーションになってたらしいので。主語からお客様が抜けたらやばいですね」