■市場予想を超えた米CPI 場合によってはFRBが物価目標を修正!?

ーー9月の米CPI(消費者物価指数・総合)は前年同月比で8.2%という結果になりました。
ニッセイ基礎研究所上席研究員 井出 真吾さん
CPIは予想よりも0.1%強かった。アメリカのCPIは3か月連続で伸び率は下がっているが、まだ水準としては高い。これではFRBは来年、利上げをストップできないだろうというのがマーケットの初期反応。
ただ、私の見立てでは10月以降、伸び率は鈍化してくる。去年の10-12月にかけてアメリカの物価は大きく上昇したこともあり、前年同月比で計算する時の分母が大きくなるので伸び率は鈍くなる。なので、今回の9月の8.2%にびっくりする必要はない。むしろ10月のCPIに注目している。
アメリカは夏場からガソリン価格が下がってきて、CPIが落ちているだろうと思ったら食料品や航空券が値上がりしている。人が自由に行動するようになってエネルギー以外のところが値上がりしているが、そこを落ち着かせるには、利上げだけでできるのかという本質的な話になってくる。場合によってはFRBが、物価目標を来年あたり、2%から3%に引き上げて、そんなに利上げしなくても良いというようにゴールを動かすということはないですかね。
大和証券チーフエコノミスト 末廣 徹さん
FRBは信任を失い続けていて、最後にそれをやったら終わりだよねという雰囲気があるので、そのような話は今のところは出ていない。ただ、代わりに利上げを躊躇なくやっていくというスタンスなので、マーケットの反応としては利上げ見通しが上がって、それを警戒して株価が下がるという流れが続くということではないか。