円安は悪いことなの…? 国民目線と日銀目線で異なる物差し

上記のことも含めて、日銀がなす術はあるのか。そもそも、円安は悪いことなのか。

末廣さんは「正直、円安が良いのか悪いのかはよく分かりません。私もテレビも新聞も、国民生活の目線になります。そうすると、輸入価格の負担も大きく、海外に行った時も高いと感じるなど円安の弊害はあります」とする一方で、「日銀の(目的は)最終的に物価を安定させることなので、多少、円安になった方がが良いんじゃないかという見方もできます」とします。

2022年には30%ほど円安が進みましたが、その時は企業が賃上げに動いたこともあり、「円安が止まるのも(日銀は)不安なのかもしれません」と末廣さん。「影響が出てきたらもちろん対応するけれど、もう少し様子を見させて、というのも根本にあるんだと思います」とまとめます。

その上で「(為替を)気にしているのは日銀よりも政府の方なのかなと。財務省の方が先に動きそうです」と末廣さん。為替介入の有無については、財務省の神田眞人財務官は4月30日の時点でコメントを避けています。また、岸田文雄総理も「コメントは差し控える」としています。

財務省の神田眞人財務官