今年も物価高が止まらず、クリスマスケーキも値上がり。長引く「円安」を念頭に、日銀は利上げに踏み切る公算ですが、物価を安定させられるのでしょうか。

長引く円安は利上げで解決? 3年で卵は3割以上値上げ…

高柳光希キャスター:
円安の影響で物価高が止まりません。2022年の10月から2025年の10月までの3年間でどれくらい値上げされたかと言うと、卵は31.5%、野菜は21.8%、飲料は23.5%上昇しています。このほかティッシュなどの家事用消耗品も21.2%上昇しています。(総務省データ/東短リサーチの計算)

円安が進み、円の価値が下がっているから物価が上がっているわけですが、円の価値も他国の通貨と比べて下がり続けています。

各国の通貨の価値の推移を見てみると、コロナ禍前の2020年初めを100とした時、2025年12月には円の価値はだいたい70、3割ほど下がっていることになります。例えばスイスのフランは上がっていて、オーストラリアドルは横ばい、日本円だけがここまで下がってしまっています。

そもそも利上げとは、「日本銀行が政策金利を引き上げること。景気や物価の安定のために『世の中の金利の基準』をコントロールする仕組み」のことです。

今回、なぜこのタイミングで利上げに踏み切るのでしょうか。

TBS報道局経済部 日銀/金融担当 出野陽佳 記者:
一つの大きな理由は、円の独歩安と、それが物価高に繋がってしまうことを食い止めることです。日本は他の主要な海外の国と比べてもかなり金利を低く抑えてきた結果、だいぶ円安が進んでしまっています。

日銀内でも、円安による物価高が長引くことを恐れる声が強まってきていて、利上げをしてブレーキをかけようとしています。そのため、現在0.5%となっている政策金利を0.75%に上げることが確実視されている情勢です。