AIが予測する年末のドル円レートは?「楽観」と「悲観」二つのシナリオ

実現するかは全くの未知数ですが、興味深いレポートがあります。それは、第一生命経済研究所が2024年4月18日に公開した、AIを活用したドル円レートの予測結果で、「楽観」と「悲観」の二つに分かれています。

楽観シナリオでは、▼「政治の安定と国際協力の強化」▼「経済成長の加速」▼「地政学的リスクの低減」が進んだと仮定して、2024年末に1ドル=120円の円高になるとしています。大和証券の末廣さんは「昔は、世界経済が良くなって円安になると、どんどんリスクを取り、金利が安い円が売られやすかったです。今は、世の中がポジティブではなくてネガティブな方にいるので、そのネガティブな状態からニュートラルになると、世の中が安定して、為替も安定して、円高に戻るということなのかと」と分析します。

一方、悲観シナリオでは、世界的に▼「政治的緊張の高まり」▼「経済的不安定性が増大」▼「地政学的リスクが増大」したとして、2024年末に1ドル=230円まで円安が進みます。こちらについて大和証券の末廣さんは「情勢が悪化すると、『有事のドル買い』で、やっぱりドルが安心と、ドルが買われやすいというのが反映されているのかな」と見ています。

今後の為替相場がどうなるか、たしかなことは言えませんが、二つ以外にも複数のシナリオを作って頭の中に入れておこうと思います。

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取材協力: 大和証券エクイティ調査部チーフエコノミスト・末廣徹[すえひろ・とおる]

記事構成:TBSテレビ デジタル編集部・影山遼(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

(TBS NEWS DIGオリジナルコンテンツ「経済の話で困った時に見るやつ」より抜粋)