(ブルームバーグ):2日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=146円台半ばに下落し、1週間半ぶり安値を付けた。米国の経済指標がインフレの落ち着きとともに消費の底堅さを示したことで9月の大幅利下げ観測が後退し、ドル買い・円売りが進んだ前週末の流れを引き継いだ。もっとも、2日は米国市場が休場となるほか、今週の米雇用関連指標を見極めたいとしてドル買いは一巡している。
ソニーフィナンシャルグループの石川久美子シニアアナリストは、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅について、FF先物市場の織り込みが25ベーシスポイント(bp)を完全に織り込み、50bpは指標を確認している状況で、米雇用統計をにらんで為替市場では先行して織り込みの調整をしてきている感じはあると述べた。
8月30日発表の7月の米個人消費支出(PCE)は伸びが加速したが、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア価格指数は緩やかな伸びにとどまった。ミシガン大学が発表した8月の消費者センチメントは5カ月ぶりに改善した。
米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方が強まり、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が50bpでなく25bpとなる可能性が意識された。米国市場では国債利回りの上昇に伴い146円台前半までドル高・円安が進み、週明けの取引でもドル買い・円売りが先行。ドル買い一巡後はやや円が買い戻されている。
今週の雇用関連統計は、米供給管理協会(ISM)指数の雇用指数や求人件数(JOLTS)などが予定されており、6日は8月の米雇用統計が発表される。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、ドルが146円台まで行くのはやや驚きながら米市場が休場で材料もなく、ドルをさらに買い進むのは難しいと話した。米雇用関連の経済統計が注目されており、「雇用関連統計の指標を控えて、ドラスチックに動くとは思われない」と述べた。
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.