(ブルームバーグ):DICは27日、千葉県佐倉市の同社美術館を2025年1月下旬から休館すると発表した。社外取締役などで構成する委員会が現状のまま美術館を維持・運営することは難しいなどと助言したことを受け、今後は美術館運営中止の可能性も排除せずに検討する。
同社は1990年に川村記念美術館(現DIC川村記念美術館)を開館した。DICはモネの「睡蓮」のほかピカソ、シャガールなどの美術作品384点を保有する。全作品の資産価値は2024年6月末時点の簿価ベースで総額112億円。
DICは長期的な企業価値向上のため、外部の視点から取締役会に助言する機関として4月に「価値共創委員会」を設立した。同委員会は、美術館運営には株主に対する説明責任が求められるなどとして、東京への移転を想定した規模縮小か運営中止を助言した。
これを受け、DICは移転と規模縮小を具体的な選択肢として検討し、12月までに結論付ける。作品売却による経済価値なども勘案し、美術館運営中止の可能性も排除しない。24年内に今後の美術館運営について決定した後、速やかに決定内容を実行する。
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