(ブルームバーグ): 10日の債券相場は下落し、長期金利が上昇している。前日開かれた債券市場参加者会合を受け、日本銀行の国債買い入れが大幅に減額されるとの警戒感から売りが優勢だ。
三菱UFJアセットマネジメント戦略運用部の加藤章夫シニアマネジャーは、債券市場参加者会合でメガが最低でも3兆円は減額してほしいという意見だったことが重しになっているとし、「これがコンセンサス化していくと相場の重しになりやすい」と指摘。ただ、「それを織り込んで下落していくのであれば、会合後は買い戻される可能性もある」との見方も示した。
日銀が9日に開催した債券市場参加者会合では、メガバンク3行と複数の証券会社が日銀に国債買い入れの積極的な減額を求めた。複数の関係者への取材で分かった。日銀は具体的な減額計画を提示しなかった。10日は生命保険会社など機関投資家から意見を聞く。
メガバンクと証券、国債購入の積極的な減額を主張-日銀の実務者会合
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、バイサイドグループの同会合でも減額に積極的な意見が出やすいとみられるとし、「減額規模が思っていたよりも大きくなると警戒される可能性がある」と述べた。
日銀は6月の金融政策決定会合で国債購入の減額方針を決定した。9、10両日で集められた市場の意見は30、31日開催の7月の日銀会合で決める「今後1-2年程度の具体的な減額計画」を議論する上で重要な材料となる。債券市場参加者会合を巡っては、減額幅やペースに関する日銀の情報発信や参加者の意見が注目を集めていた。
日銀は午前10時10分の金融調節で定例の国債買い入れオペを通知。対象となる全年限の買い入れ額を前回オペから据え置いた。

--取材協力:酒井大輔.
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