外遊中の岸田総理は、就任後初めてブラジルとパラグアイを訪れました。この国を選んだ狙いと課題について同行している渡部記者の報告です。

ブラジルとパラグアイを立て続けに訪問した岸田総理。両国の首脳と、気候変動の問題や脱炭素に向けて協議しました。

岸田総理
「ルラ大統領と共に『日ブラジルグリーンパートナーシップイニシアチブ』を立ち上げました」

岸田総理は、ブラジルでは▼アマゾンの森林保護や農地改良に向けた協力パッケージをとりまとめ、パラグアイでは▼交流事業の強化を表明するなど、中南米との連携強化に向けた取り組みを次々と打ち出しました。

ブラジルやパラグアイは「グローバルサウス」と呼ばれる新興国・途上国の筆頭格で、岸田総理がこれらの国々と連携強化をめざす背景には中国の存在があります。

近年、中国も「グローバルサウス」への働きかけを強化していますが、日本としては民主主義などの共通の理念を前面に打ち出して、対抗したい考えです。

緊迫する国際情勢に対処するため、ある政権幹部は「事実上、西側の国のリーダーの一員であるブラジルと、どう手を取り合うかがカギだ」と解説していて、岸田総理としては、南米の大国に対する姿勢をどのように示していくのかが問われます。