一番いじめてきた男の子が「会いたい」と…
河除静香さん:「保育園のときは仲間外れとかも多かったし『目つぶっとって』って言われて連れていかれて『目開けていいよ』って言われて開けたら、下に誰かの吐いたゲボみたいながあって、その上に立たされとって…。当時のあだ名は『アヒルのガーコ』。フォークダンスで手をつないでくれる子は、一人もいませんでした。

河除静香さん:「いじめで自分が死にたいと思ったことはないけど、とにかく相手が憎くて、ほんとに1日1日乗り越えて耐えるしかない。この感情は誰にも言えなかった」


河除さんが抱いた「負の感情」は、演目「悪魔」でもありありと描かれています。

悪魔:「俺は悪魔だ!お前の心が俺を呼んだのだ」「俺がやつに復讐をしてやろう」
主人公:「あぁ…見たい。やつが苦しみ、悶えるさまを。憎い!私のことを化け物だと罵ったやつが」


しかし、悪魔と契約してから月日が流れ、自分をいじめた同級生から「会いたい」と連絡がー

同級生:「きょうは君に謝りたいことがあって、来てもらった」
主人公:「…謝る?」
このシーンは河除さんの実話がモチーフです。中学校卒業から5年経って迎えた成人式。河除さんを一番いじめていた男の子が謝ってきたのです。

同級生:「君をひどい言葉で傷つけた。今さらいくら詫びても足りないだろうが、本当にすまなかった…」
河除静香さん:「通路でパタッとあって、本当に開口一番『いじめてごめんな』ってぱっと言われて、私もなんかすぐに『気にしてないよ、もう気にしてないよ』みたいな感じで言えて…。『ごめん』っていう言葉はすごく、人間関係を修復してくれる強い言葉だなぁと…」
