判決の結果は…そして、男性の長男が求めたことは
男性の遺族は会社側に和解を提案しましたが、会社側が応じなかったため、2021年7月に会社と当時の社長を相手取り、およそ7600万円の損害賠償を求め提訴しました。
これまでの裁判で会社側は「時間外労働があったことは認めるが、自殺の原因にはなっていない」として“請求棄却”を求めていました。

提訴から2年。11月29日、富山地方裁判所高岡支部で判決が言い渡されました。

裁判所は、会社側の安全配慮が欠けていたことやノルマは達成困難なものであったとして過重労働を認定。
男性の死との因果関係が認められるとして会社側に6200万円あまりの支払いを命じる判決を言い渡しました。
過労死した男性の長男:「本当は生前に言えたらよかったけど、大変つらい状況の中、一生懸命勤勉に働いていた父に心からお疲れさまでしたとお参りしたい」

そのうえで、過重労働の実態が是正されていない社会全体を改善する必要があると訴えます。
過労死した男性の長男:「私たち家族は大切な家族を失い、会社としても多額の損害賠償を支払うはめに結果すべての人が不幸になった。そしてこれは自然災害ではなく、防げることだと思う。ただ、それを無視した結果、このようなどちらにとっても最悪な結果になることを重々に理解してほしい」

一方、被告の丸福石油産業は判決を受け、「判決文が届いていないのでコメントできない」としています。