相次ぐ飲食店での迷惑行為動画の拡散。岐阜県の回転寿司チェーン店では運営会社が、約6700万円の損害賠償を求め提訴しました。富山県内でも回転寿司チェーン店で高校生がガリを直食いする動画が拡散され、賠償問題が気になります。

富山県内にある「はま寿司」で男子高校生がガリの容器に直接箸を入れて食べる迷惑行為の動画がSNS上に拡散した問題。

「はま寿司」はことし4月、警察に被害届を提出。警察は迷惑行為を行った男子高校生と、動画を撮影した人物、さらにSNSに投降した人物
に話を聞くなどして店の業務を妨害した疑いで調べを進めています。

被害届の提出から2か月。刑事事件に詳しい高岡法科大学の西尾憲子教授は刑事罰についてこう分析します。

高岡法科大学 西尾憲子教授:「共同正犯になる可能性はゼロではないと思う。役割分担で自分は動画をアップするよ、自分は撮影するよ、じゃあこういう風にやったらどうかってみんなで話し合って一緒にガリを食べるという行動に関わったことになれば共同正犯だと。警察も調べていると思う」

一方、回転寿司チェーン「スシロー」では岐阜県の店舗で少年がしょうゆ差しの注ぎ口をなめるなどし、その様子を撮影した動画がSNS上で投稿・拡散されました。

スシローの運営会社は「迷惑行為によって全国の店舗の信用を傷つけ、客が大幅に減少し、親会社の株価が下落したことで時価総額が1日で160億円以上下がった」などとして少年側におよそ6700万円の損害賠償を求めて提訴したことがわかりました。

気になるのが「はま寿司」の対応です。西尾教授はSNS上に拡散されたことによる会社側の損失は大きいと指摘します。

西尾憲子教授:「例えば(迷惑動画の拡散で)それで1回店を休みにして、清掃をして入れかえて、じかに食べたものは全部破棄しなくちゃいけないとか。またそこの店に行きたくないっていうお客さんの気持ちも考えるとかなりの営業妨害になると思うので」

はま寿司の運営会社を取材すると「実質の被害のほか店のイメージや信頼の低下でお客様に重大な不安を与えた」とした一方、損害賠償請求については警察の刑事事件の捜査を待つとし「現時点で予定はしていない」としています。