石垣市に住む10代の男性5人が、石垣島の河川で遊泳した後にレプトスピラ症に感染し、結膜充血や筋肉痛、蛋白尿などの症状が出たため全員が入院治療を受けていたことが分かった。
沖縄県の感染症対策班によるとこの5人は、先月13日から23日の期間中に共に石垣島内の河川で遊泳していたため、同一河川での感染による集団発生事例と判断された。県は「どの河川でも感染リスクはある」として遊泳していた河川を公表していない。
県内では2022年の10月、八重山保健所管内に住む70代の男性が発熱や腎不全の症状を訴え入院した3日後に死亡し、のちにレプトスピラ症感染が判明したケースもある。
人獣共通の感染症「レプトスピラ症」
レプトスピラ症は人獣共通の感染症で、「病原性レプトスピラ」という細菌の感染によって引き起こされる。ネズミやイノシシなどの野生動物の腎臓に潜み、尿中に排せつされる細菌によって汚染された土壌や水と接触することで、皮膚の傷や鼻、目の粘膜を通じてヒトに感染する。
重症になると腎機能障害や黄疸などの症状が現れ、治療を受けない場合には死に至ることもあるが、抗生物質の投与で治療が有効に作用する。ヒトからヒトへの感染はない。