ある意味そういう本体の活動の前兆というか準備段階
記者:「能登に関して言うと?」

竹内章名誉教授:「能登に関しては続きます。珠洲の方で水が原因と言われているような隆起自体が止まってないんです。隆起が始まったのは2000年の終わりぐらいから顕著になってきたわけですけど、一時、止まったかに見えるようになったのはマグニチュード5クラスの大きめの地震が起きだしてきた。その状態で隆起したままの状態で続いてきているわけです。今回の地震もその中で起きていますので、すとんとそれが戻るという状態ではとてもない」

記者:「そうすると今後さらに大きい地震が起きる可能性もありますか?」
竹内章名誉教授:「今回は珠洲の地域に古い断層があって、どれも活断層と認められていないものがほとんどなんです。たくさん断層がある状態は北側の海底の岩壁も同じこと。いずれにせよそういうものが群発地震を起こしてきているので、その意味でこれまでのマグニチュード4とか5とかがたくさん起きるような群発地震っていうものの一連のもので“最大のもの”だという風にみることができる。複数の活断層というか複数の古傷が割れていることが続いているわけですけど、だいたいその古傷が動き終わると今度そのおおもととなっている断層があってそれが今回と同じようなマグニチュード6クラスの地震あるいは7というような地震が起きていますから、それは活断層の本体が動くということですね。ですからある意味そういう本体の活動の前兆というか準備段階という風にもかんがえられるわけです」(後編に続く)